当店では、2種類の「つゆ」を作っております。冷たい蕎麦のつゆ「辛汁」と、温かいそばのつゆ「甘汁」です。辛汁のだしは、鹿児島県枕崎のカツオ本節で1時間以上、甘汁のだしは、静岡県焼津のさば節を40分以上かけて出汁をとっています。
和食用のだしの削り節は、およそ100分の2から3ミリの厚さです。沸騰したお湯に入れ、短時間で「だし」を引き出します。そこから、うまみと風味を重視した「だし」が生まれます。そばつゆ用の「だし」は「かえし」と合わせるため、より濃厚なだしを必要とします。そのため、1ミリ前後に削った節を使い、やや多めの分量を投入、1時間以上かけてゆっくり煮出します。そうすることで、より濃厚なうまみのある「だし」をとるのです。「つゆ」を作る上で「だし」と同様、重要なのは「かえし」です。醤油、砂糖、味醂を適度に調合し、1週間以上寝かせます。それらの配合や火の入れ方に、その店の個性が現れてきます。こうしてできた、「だし」と「かえし」を使う前日に合わせ、さまし、湯煎し、またさまし、翌日の出番に備えるのです。