こだわり


「好きこそものの上手なれ!!」

うまい蕎麦が食べたい。そう思って蕎麦を打つ日々。うまい蕎麦を打つためには、いい原料が欠かせない。原料が揃えば、後は丹念に石臼でソバをやさしく碾き新鮮なうちに打つ………ただそれだけ。原料の持つ味を100%引き出してやることに集中する。でも、毎日違う表情をみせる蕎麦。だから難しい。だから楽しい。思うに、今更「コダワリ」といっても、これだけ「石臼碾自家製粉の蕎麦屋さん」が多くなってきてはもはやそれが特徴というもの珍しくなくなってしまいました。それだけに、お客様に安全で安心できる、納得していただける蕎麦をご提供すること、さらに、農家さんとも協力し合い、おいしい蕎麦の生産に協力していきたいと考えております。


「玄ソバ」へのこだわり

料理イメージ

 

現在のソバの仕入産地は3地域ございます

ひとつ目は、福井産丸岡在来種。
古くからその土地に根付いている品種。
小粒ながらも、新鮮な緑色を発し、爽やかな味わいです。

ふたつ目は、北海道産キタワセソバ。
北海道・音威子府の広大な土地で、大地の恵みを受けながら、ソバが育っております。
「新そば」として、一番最初に食べられるのは、北海道のソバなのです。
ここの農家さんの心意気は強いです。毎年毎年、工夫を加え、おいしいソバを提供して頂いております。

みっつ目が、地元・三芳町産の在来種ソバです。
おいしいソバが育つ土地の条件に、「朝晩の温度差が大きい山間地であること」がありますが、残念ながら、この辺りの土地は、まっ平らです。
それを、土と肥料を研究し、他の地域に負けないおいしいソバを育てております。

また、秋収穫されたそばは、0度の低温倉庫で保管されているため、一年を通して、「新そば」と同様な「蕎麦」をご提供できる体制をとっております。その 都度、脱皮された「そばの実」は、石臼で、1分間に12~15回転(気温、湿度により変化)という低速で碾いております。碾かれた蕎麦粉はさらに、50 メッシュの篩でふるいます。そうすることで蕎麦の実の一番外側(甘皮)の繊維質の強い部分だけが取り除かれます。現在は、多少粗めに碾いており、歩留まりは95%前後になります。
(つまり10キロ製粉して500グラム捨てているわけです)

田舎蕎麦用の粉は、ムキ実と混ぜず、玄蕎麦一本で碾いております。こちらは粗碾きで、一度目の製粉で30メッシュ、2度目の製粉で50メッシュで蕎麦粉をとっています。

※メッシュとは、1インチ(25.4ミリ)の長さに目の数がいくつあるかということ


「つゆ」へのこだわり

食材イメージ

当店では、2種類の「つゆ」を作っております。冷たい蕎麦のつゆ「辛汁」と、温かいそばのつゆ「甘汁」です。辛汁のだしをとる節は、薩摩の節(FUSHI)、鹿児島県枕崎港または山川港で陸揚げされるカツオの本枯れ節※2を使用しております。ダシをとる直前に、専用の削り機で1ミリ程度にスライスし、こんなに入れるの?と言う位かなり大目の分量を投入します。ダシの出具合を見ながら約70分以上ゆっくりと煮出していきます。そうすることで、より濃厚なうまみのある「だし」をとるのです。

甘汁のだしは、静岡県焼津のさば枯れ節を40分以上かけて出汁をとっています。このサバは主に大島、式根島付近で獲れたものです。これらの節も、同様に、厚くスライスし、時間をかけてダシをとります。
ちなみに、和食用のだしの削り節は、およそ100分の2から3ミリの厚さです。沸騰した お湯に入れ、短時間で「だし」を引き出します。そこから、うまみと風味を重視した「だし」が生まれます。そばつゆ用の「だし」は「かえし」と合わせるた め、より濃厚なだしを必要とします。そのため、1ミリ前後に削った節を使い、やや多めの分量を入れ、ゆっくり煮出すのです。そうすることで、より濃厚なう まみのある「だし」をとるのです。

※本枯れ節とは、カビ付け(水分を減少させ香味を抜けないようにする作業)を4回ほどされ、仕上げられた節のこと。カツオの大きさは3.5キロ以上のもの。

 

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